ディー・ブレイン証券、第13回定時株主総会

激変のIPO環境との厳しい戦い

ディー・ブレイン証券の13回目の定時株主総会を開催。
2007年3月期をピークに業績は急下降です。
2007年に年間188社あった新規上場企業は前期は19社に激減。
当時の当社は新興市場の上場引受主幹事業務を年間7社務め、60社の上場コンサルティング先から安定的なコンサルティングフィーを得ていました。
特に福岡証券取引所Q-Board札幌証券取引所アンビシャスは合わせて20社の上場会社のうち、当社が12社の引受主幹事を務め、圧倒的なシェア。
小規模企業の早期上場を支援するのが強みだったのです。
株式公開を通じて成長できる会社の基盤を早期につくること。
「価値ある事業の成長支援のインフラ構築」を事業理念に掲げる当社にとって、上場は成長支援の重要な手段なのです。
そして、上場まで時間がかかる会社はグリーンシートに誘導する。
このグリーンシートは当社の独壇場です。
新規上場とそれを補うグリーンシートのビジネスモデルは、これまでにない新たな中小企業向け投資銀行としてのビジネスモデルを構築できたように思っていました。
しかし、そのモデルは、内部統制報告制度の導入等による上場コストの増加と、相次ぐ新興市場上場会社の不祥事に伴うIPOの激減で脆くも崩壊の危機にあります。
この2年間、当社の新規上場引受件数はゼロ。
88社まで伸びたグリーンシート銘柄も64社にまで減少しました。
前々期に2億円を超える赤字を計上した当社。
前期はコスト削減で1億円の赤字まで軽減できたものの、売上の減少傾向は続いています。


GS-CAB国際株式公開に未来を託す

そこで、当社の将来の将来展望は、GS-CAB国際株式公開を利用する海外進出支援に賭けたいところです。
成長志向企業の多くが上場志向企業だったかつての日本。
上場をしたいという企業を集めれば、成長する会社に出会えたのです。
ところが、今や上場をしたいと思う成長志向企業が著しく減少してしまったのです。
そこで、成長志向企業の多くが関心をもっていると考えられる、アジア・中国への進出と資本業務提携にフォーカスをするわけです。
国内のあらゆる産業が成熟して、売上が頭打ちとなる中、成長志向企業の多くは、高い成長力のアジア・中国に目を向けています。
官民のアジア・中国進出支援する動きも活発になっているところ。
当社の専門分野は株式公開支援と開示支援。
これを生かして行いうるのがグリーンシートに公開して英文開示や中国語開示を行うGS-CAB国際株式公開です。
上場会社でも英文開示または英文IRを行っている企業は全体の5分の1ほどと未成熟です。
これは日本の証券市場の国際化を遅らせている一因でもあると思われます。
GS−CAB国際株式公開を広げることで、日本の企業の世界への情報発信力を高めるとともに、いまだに鎖国を続けているかに見える日本企業の開国を進め、世界をリードする日本を再び取り戻すことができるかもしれません。

とは言いながらも、足元では純財産がいよいよ5億円を下回った当社です。停止している元引受業務を再開するためには、資本増強も必要です。
資本参加いただける新たなパートナーを求めて、何とか厳しい環境を乗り越えたいと思います。