グリーンシートは資本参加・資本提携の場!

本日の日刊工業新聞が当社の記事を掲載。
当社では、グリーンシート資本提携・資本参加の場と位置づけ、上場企業から中小企業への資本参加の仲介支援を開始します。

株好きのマーケットから会社好きのマーケットへ

これまで、証券界が作ってきた投資家のマーケットは端的に表現すれば「株好き」の方のマーケットと言っても良いでしょう。
これが間違っているわけではありませんが、発行会社にとれば、「株好き」の方が株主となるよりも、「会社好き」の方に株主になって欲しいところです。
当社がグリーンシートで推進してきた「拡大縁故募集」・・・それは金融商品としての「株」に関心を持つ人を対象とした株式の募集ではなく「会社」や「事業」に関心をもつ人を対象とした募集です。
会社の周りには、お取引先や提携先、役員社員とその家族、地域のお付き合い等、その会社に関心を持つ人が集まっています。
このような方々に対して「当社はこんな会社です。是非、当社の株主になって当社を応援してください!」とIRをして募集するのが「拡大縁故募集」と呼ばれる方法です。
これまでの証券会社の募集では、このような会社の周りの「会社好き」の方には募集は行われず、証券会社のお客様の「株好き」の方に対して、専ら募集をしてきたのです。

戦略的事業投資(ストラテジックインベストメント)

今回、当社が発表したのは、事業提携を前提として資本参加(戦略的事業投資)を行う「ストラテジックインベスター」の登録を開始することです。
主に上場企業を対象として登録を進め、中小企業・ベンチャー企業にマイナーシェアーの資本参加をいただくことが基本です。
「拡大縁故募集」の発展系と言っても良いでしょう。従来の「拡大縁故募集」が、「現在のご縁」への募集だったのに対して、ストラテジックインベスターへの募集は「未来のご縁」への募集です。
⇒ http://www.d-brain.co.jp/strategic/index.html

上場会社にはM&Aによる企業買収もニーズが高いところですが、連結子会社とするよりもマイナーシェアの資本参加でリスクを軽減しつつシナジー効果を得たいというニーズもあります。
また、中小企業・ベンチャー企業の側にとって、上場会社の子会社になることには抵抗があっても、5%〜20%程度の出資であれば、資本提携として有難いというところです。
しかし、上場会社が中小企業の10%のシェアを獲得しようとするのに、M&Aと同等のデューディリジェンスコストはかけられません。
その点、グリーンシート企業は公認会計士の監査のついた透明性高い財務情報が開示され、上場会社並みの適時開示やリスク情報開示があることから、投資判断が容易です。
詳しくは当社のプレスリリースを参照ください。
⇒ http://www.d-brain.co.jp/www/pdf/pdf/1233289076.pdf

ロンドン証券取引所AIMでは当たり前

ロンドン証券取引所AIMでは、新規上場時の増資にストラテジックインベスターが参加することも少なくありません。
典型的な例はスーパーマーケットチェーンの新規上場時の公募増資に食品メーカーが参加したケース。
それが株価の値上がり益を狙うための投資でないのは明らか。公募増資の資金を使った新店の出店は、取引先である食品メーカーの売上も押し上げます。共同のインストアプロモーションやPB商品の開発で、WIN−WINの関係が構築できるのです。
まさに一緒に事業を行って成長をするための投資です。
このような戦略的事業投資を専門の証券会社がつないでいます。
伝統的な資本主義経済の社会において、証券会社が会社のシェアとしての株式を売り、パートナーとしての株主をつくるという本来の役割を担っているのです。

個々の発行会社に固有の投資家マーケットを創る

わが国においては、従来の金融商品への一般的な投資選択の基準は、簡単に言えば「どの銘柄が儲かるか」ということでした。
4000社の上場会社を含む数多くの金融商品から、儲かりそうな商品を選択する投資。言い換えれば、儲かれば、どれでも良いという投資です。
一方、戦略的事業投資の投資判断の基準は、「事業として資本参加することに価値があるか」ということ。
全く同じリターンを生むA社株とB社株があった場合、従来の金融商品投資を行う投資家にとってA社株とB社株に投資をする意味は同じでした。
しかし、戦略的事業投資を行う事業会社にとって、A社株には投資の意味があり、B社株には投資する意味がないということがあるのです。
それは発行会社にとって、「株好き」がキーワードの「証券会社の顧客マーケット」を対象とするこれまでの株式募集とは異なり、「会社好き」がキーワードの「発行会社に固有の投資家マーケット」から株主を募集することに他なりません。

TOKYO AIMグリーンシート

昨日、東京証券取引所が発表したプロ向け市場「TOKYO AIM」が対象とする投資家は「特定投資家」という定義のプロ投資家。
機関投資家と個人の富裕層が対象・・・と考えている証券会社も多いようですが、ロンドン証券取引所のAIMをモデルとするのであれば、ストラテジックインベスターが多数参加する市場モデルを想定すべきでしょう。
定義としては上場会社や資本金5億円以上の会社は全て「特定投資家」であり、上場会社以外の一般事業会社も証券会社が認めれば、「特定投資家」になることができます。
市場の流動性が落ちることを心配する人もいますが、長期保有を前提に戦略的事業投資を行う株主にとって、日々の流動性は余り重要ではないのです。
それは、投機的投資で流動性をつくってきたこれまでの証券市場とは全く異なる性格の市場です。
そのようなマーケットを、先行して行ってきたのがグリーンシートです。
身近なファンの個人投資家も参加できるグリーンシートは、TOKYO AIMと比較すると小さな規模の会社に適していると考えられます。
当社としても、ストラテジックインベスターを育てつつ、将来は「TOKYO AIM」の指定アドバイザー業務にも挑戦し、直接金融による企業への資金供給インフラ拡大に全力で取り組んで参りたいと思っています。