韓国の金融革命をリードする人物とは?

韓国に出張。
前回出張した7月には1円=70ウォンほどでしたが、今回は130ウォン。
2分の1近くに下落です。

中小企業向けメザニンファイナンスの形

韓国で外国株式の取引に強いL証券を訪問。
経済環境の急速な悪化は韓国でも同じ。
さぞ大変な状況と思いきや、オーナーのPさんはとても元気です。
今がチャンスとばかり、自らが運営するファンドで小さな銀行を買収。
この銀行では少し高めの利率で預金を集めて、中小企業の発行するワラント債に投資。
ワラント部分はL証券が買取ってリスクを軽減するメザニン型の資金供給スキームです。
日本でも新株予約権付融資の形で一部の銀行が取り扱っていますが、新株予約権は融資先が新興市場に上場することを前提にVCファンドが買取っている形で、新興市場の上場環境悪化によって機能不全の状況です。
本来は、中小企業が厳しい環境を乗り越えるために、今こそエクイティを活用した資金供給スキームが必要なのです。
一部の融資先のワラント価値の上昇によって、他の融資から生ずる損失を補う構造こそが求めらるスキーム。
ここでのワラント価値の上昇は、企業の成長に伴う長期的な価値上昇です。
上場とは流動性を高める手段であって、価値上昇の手段ではありません。
しかも上場しなくても流動性は得る手段は様々あるのです。

The Smartest Person I have ever met!

柔軟な発想を持ち、韓国の中小企業に成長資金を供給する手段を手にしているPさんは私と同い年の1961年生まれ。
韓国大学大学院を主席で卒業し、大手証券会社ロンドン支店で10年間の実績を積んで、2000年にL証券を起業しました。
香港、サンフランシスコでもリサーチ会社を買収して海外戦略も強化しているところ。
次世代のゴールドマンサックスを目指すと豪語するその言葉には、十分な勝算もあるように感じました。