新興市場のあり方を考える委員会

日本証券業協会の「新興市場のあり方を考える委員会」にゲストスピーカーとして出席。
野村総合研究所の大崎氏が委員長です。
私のほか、札幌証券取引所の定専務理事、福岡証券取引所の福田専務理事がプレゼンテーションを行いました。
札証アンビシャスと福証Q-Boardの上場企業は合わせて20社。
そのうち12社の引受主幹事を務める当社にとって、重要な委員会です。

地方新興市場の社会における役割

地方証券取引所については、その存在意義が議論となっているところ。
地方企業が地方新興市場に上場する場合でも、公募増資に参加する圧倒的多数が、投機的投資を志向する個人投資家です。
初値売却で利益が上がるから資金が集まるという構造は、マザーズヘラクレスの上場と同様。
しかし、地方証券取引所新興市場には、マザーズとは異なった社会的必要性がなければ、統合されるてしかるべきなのです。
そこで重要なキーワードは「地域性」です。
地域金融機関が地域の預金者の資金を地域に流すのと同様、地域の企業が地域の株主を募集するのが、地方証券取引所のあるべき姿でしょう。
当社が挑戦すべきは、グリーンシートの「拡大縁故募集」に近い方法で、地域のもつ「ご縁」によってその企業に関心を持つ株主を募集することです。
そのためには、上場承認されて届出書を出してからブックビルディングを経て1ヶ月で上場する今の仕組みを改める必要があります。
米国や韓国のように、ファイリングされてから6ヶ月以内の良いタイミングで上場するといったことを検討するのも良いと思います。
募集期間を長くとって、じっくりロードショーをするわけです。
一定期間の募集活動の後に、ブックビルディングを行い、申込みを受け付ける。
地域において、その企業にとって相応しい投資家が安定株主となっていただけるでしょう。

グリーンシート店頭市場並み

グリーンシートについての私のプレゼンテーションは15分。
それでも十分にその制度と特徴は伝わったと思います。
大和証券の平野委員からは、「昔の店頭市場を思い出す。いや、あの頃の店頭市場よりも、より制度は整備されている。」とのご意見。
オブザーバーで参加している日本証券業協会の担当者から、売買金額や参加証券会社のデータも報告されました。
新規上場が停滞する中で、現在、新規銘柄指定されて募集中の会社が3社のグリーンシート
新興市場IPOを代替する力を持つことができるよう私も全力で取り組みたいと思います。