ベンチャーキャピタルのEXIT戦略としてのグリーンシート活用

リビングデット急増のVC業界

当社株主の1社のベンチャーキャピタル(VC)の担当者U氏が来社されました。
今日は、VCのグリーンシート活用について私から提案。
新興市場の新規上場が停滞している中、VCではEXIT(投資売却)が困難となり、リビングデッド(LD)が急増しています。
そこでEXITとして第三者転売先を探しますが、なかなか見つからず難しいところです。
次は投資先経営者への買取要求となります。
投資契約でそれが明示されているケースも多く、LDとなったVC投資先の経営者もつらいところ。
VCも投資先も行き場のないという辛い現状です。

グリーンシートはLD対策となるか?

このような閉塞状況を打開する方法として、グリーンシートを利用する提案です。
グリーンシートを一般の証券市場と比較すると、流動性が極めて低いことから、VCにとっては市場売却が困難との印象でした。
そこでこれまでは、VCにとって投資先がグリーンシートに株式公開するメリットは少なく、グリーンシートに否定的なVC担当者も多かったのです。
ところが、環境は激変。新興市場のIPO環境の急速な悪化で、VCのEXITの中心は急速に第三者転売にシフトしています。
そこで、グリーンシートです。

市場売却ではなく第三者転売の場としてグリーンシートを活用

市場売却ができるほどの流動性はありませんが、資本提携・資本参加の場としての性格を強めているグリーンシートは、相対取引で第三者転売をつなぐ場としては最適です。
投資先がグリーンシートに公開することで、売却先が見つけやすくなる上に、上場企業並みの徹底したディスクロージャーで相手が取得するにあたっての意思決定が容易となります。
しかも、未公開株は証券会社に投資勧誘が禁止されていますが、グリーンシート銘柄は証券会社が仲介できることが特徴。VCの売りたい銘柄がグリーンシート銘柄であれば、資本参加を希望する企業を当社が積極的に探すことができるのです。
1月にスタートしたストラテジックインベスター(戦略的事業投資家)の登録制度を活用し、当社が勧誘することで、EXITを促進します。
かつての店頭公開並みに制度整備されたグリーンシート株式公開は発行会社にとっても企業の社会的評価を高めるメリットが大きい。公募増資で追加の資金調達も可能です。

グリーンシートはVCの救世主?

U氏からも、VCの現状にかなりマッチすると高い評価。
社内で推奨いただけることになりました。
社内勉強会をセットしたいとのこと。
EXIT戦略として上場時の売出や上場後の市場売却を利用してきた日本のVCの多くは、全て同じ環境です。
グリーンシートはあるいは、今のVCの窮状を救う救世主となるかもしれません。