『まんがグリーンシート入門』完成記念セミナー

『まんがグリーンシート入門』が完成。
1時間でグリーンシートの全てが理解できる本です。
「まんが」にしては字が多いでしょうか・・・?
非売品ですが、来年早々には、このタイトルで出版予定です。

完成を記念したセミナーを企画しました。

株式公開のあり方に一石を投じたグリーンシート

私の講演では、グリーンシートの歴史をご紹介。
1997年に未公開株式の投資勧誘制度としてスタートしたグリーンシート
当初の上場前のプレIPOの場としての性格から、成長を支える真の株主を募る場としてその特徴が鮮明になってきました。
グリーンシートをこれまでに利用した会社は150社ほど。
このうち9社がその後、証券取引所に上場。4社が上場企業との経営統合で上場企業になりました。
立派になってから上場するイメージの証券取引所に対して、株主の皆さんの力で立派な会社をつくりあげていくために株式を公開するグリーンシート
公開した後は、業績を伸ばす会社と、思ったように伸ばせない会社とに明暗が分かれるという側面もあります。

非公開化も経営戦略としての選択肢

今年は特に、厳しい経済環境下です。
業績が悪化した企業は、監査報酬を含めて数百万円程度のグリーンシートの維持コストが負担できずに公開廃止という企業も少なくありません。
公開しやすく退出もしやすいのがグリーンシート
株主総会の特別決議を経て株主がコストダウン等の目的に納得すれば非公開化も経営戦略の一つです。
金銭的なリターンを投資の目的とする新興市場の新規上場とは異なり、資本的投資の株主を募るグリーンシートだからこそできることです。
業績悪化企業の非公開化により、結果的には業績を伸ばす会社だけがグリーンシートに残ります。
会社と事業に共感し一緒に会社を伸ばしていただける株主を募るグリーンシート
大切なのはこの制度をより多くの企業経営者に知っていただくこと。
『まんがグリーンシート入門』で少しでも多くの中小企業経営者に、グリーンシートに共感をいただければと思います。

グリーンシート公開企業の本音トーク

私の講演に続いて、パネルディスカション。
パネリストは、名学館の佐藤社長、アイジーコンサルティングの井上社長、アメニティの山戸社長の3名です。
会場は満席の40名。
グリーンシートについて本音トークということで、今後の課題も含めて討論です。
会場からも様々なご質問。
これからグリーンシートを準備しようとしている経営者の不安に3名から明快な回答。
グリーンシートに解決すべき課題はあるものの、会社の経営にはプラスになることが多く、満足度は高いことが良く伝わったように思います。

グリーンシートは株価形成に課題

課題としてあげられたのは株価形成の方法です。
流動性が低いだけに、ほんの少しの売り買いの注文で、株価が大きく変動してしまうことがあります。
一般の証券市場のように売買注文に基づいてリアルタイムで株価を変動させる意味があるかどうか、検討する必要があります。
そもそもグリーンシートの制度は、証券会社が責任ある立場で気配を継続的に公表する仕組み。顧客の注文による価格を気配とするのではなく、適正な評価額を気配として公表するのが本来、専門の証券会社の役割でしょう。
これは、来年に向けてディー・ブレイン証券として工夫した実行するだけで、十分、解決ができる課題です。

事業戦略と資本戦略の一体化の強み

グリーンシートについて評価の高かったのは、事業戦略と資本戦略の連動性。パネリストの中では、アメニティと名学館がグリーンシート募集でFC加盟店の多くが株主として参加。山戸社長からは、株式公開で本部の透明性が高まりFC加盟店からの信頼が強まったと評価。佐藤社長からは、株主となるかどうかで加盟店の本気度が把握できるとの評価です。
そしてシロアリ駆除の先駆者「井上白蟻研究所」として創業し、社歴100年になるアイジーコンサルティングの井上社長からは、社会に役立ち社会から支えられる会社こそが永続できること、そしてそのためにグリーンシートは重要なインフラであることを語っていただきました。

グリーンシートに公開している経営者の声が、少なくとも今日のセミナーに集まった方々には高らかに響いたように思います。