投機的投資と資本的投資

表参道のダイヤモンドホールで、明治安田生命の交流会に参加。
参加者は120名ほどで、基調講演はヤマト運輸の3代目の元社長の都築氏。
宅急便の生みの親の一人です。
倒産の危機にあった大和運輸だからこそできた大変革が生んだのが宅急便。
経済危機の今は、まさに、その変革のチャンスということでしょう。

続いて10分間、私からGSの説明。
テーマは「グリーンシートを活用する資金調達とVCのEXIT戦略」。

エクイティファイナンスの分類

私の最近のセミナーでは、エクイティファイナンスを4象限に分類。
横軸に私募と公募。
縦軸に資本的投資と投機的投資を置いて分類します。
私募と公募は金融商品取引法施行令で明確に分けられています。
株式の募集では、50名以上に勧誘するのが募集で49名までの勧誘であれば私募です。
一方、資本的投資と投機的投資は投資の性格の分類。
株は売って儲けるために投資をするというのが投機的投資。
これに対して、株主として事業を一緒にやるための投資、事業を応援するための投資が「資本的投資」です。

縁故増資と提携先への第三者割当増資

中小企業で例の多いのは、親戚や友達が出資する「縁故増資」。
売ることを目的とした投資ではないので「資本的投資」です。
そして相手は少人数ですから私募です。
事業提携先に第三者割当増資を行うケースもやはり私募で資本的投資です。

VC投資とIPO

では、ベンチャーキャピタルへの割当はどうでしょう?
本来は、VCの目的は企業の成長支援。株主として長期投資を行うので、資本的投資のはずですが、日本のVCの多くは投資先を上場させて売却し売却益を得ることが目的であることから、「私募」で「投機的投資」でしょうか?
さて、日本の証券市場のIPOは、参加する投資家の圧倒的多数が個人の投機的投資家です。
公募で買う方の大多数は、初値が付いたら売却をすることが目的です。

資本的投資を公募で集めるグリーンシート

これに対してグリーンシートは、「資本的投資」を「公募」で集めるのが特徴です。
金融商品の株に関心を持つ人を集めるのではなく、株主になることに関心をもつ人を集める。
地味ではありますが、そのような募集をグリーンシートは着実に行ってきました。
投機的投資から資本的投資へと潮流は変わったように思います。